中山 勉
静岡県立大学食品栄養科学部
カテキン類は茶やチョコレートなどに多く含まれているポリフェノールの一種であり、感染症や様々な生活習慣病のリスクを低減する機能が期待されています。日本カテキン学会は島村忠勝博士(昭和大学医学部名誉教授)により設立され、毎年開催される総会においてカテキン類に関する活発な学術的討論が行われてきました。日本カテキン学会の会員あるいは総会の参加者は、大学・試験研究機関・民間企業の研究者と臨床医からなり、カテキン類の合成、食品中での安定性、生体成分に対する反応性、植物中での生合成、抗ウィルス活性、抗菌性、動物やヒトの遺伝子・細胞・組織・個体レベルにおける代謝や機能等に関する、様々な研究領域のエキスパートです。特に、臨床サイドからはカテキン類の殺菌作用、抗ウィルス作用、抗酸化作用、抗腫瘍作用、抗アレルギー作用、免疫増強作用などが期待されており、感染症、脳血管疾患、心疾患、悪性腫瘍、アレルギーなどのリスク低減に関する研究結果が蓄積しつつあります。
本年は第5回日本カテキン学会を8月22日東京国際フォーラムにおいて開催いたします。今回もカテキン類の合成、反応性、代謝、機能等、様々な分野における最新の研究成果を基調講演あるいはシンポジウムの形式で発表していただき、質疑応答の時間も十分にとりたいと考えております。交通の便が最高によい会場ですので、カテキン類や植物ポリフェノールの研究者をはじめ、カテキン類や茶の機能にご関心をお持ちの方のご来場をお待ちしております。