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本学グローバルCOE事業推進担当者の大島寛史教授らの研究成果がアメリカ癌学会学術専門誌(Cancer Prevention Research)の電子版(3月2日)に掲載されました



ヤマイモ成分が大腸がんを予防!

  静岡県の郷土料理に、ヤムイモ(注1)の一種である自然薯を用いた"とろろ汁"があります。松尾芭蕉は「梅若菜丸子の宿のとろろ汁」の一句を残し、歌川広重の東海道五十三次・丸子(まりこ)には「名ぶつ とろろ汁」の看板をあげた小さな茶店が描かれています。生活健康科学研究科の三好規之助教、大島寛史教授らの研究グループ(注2)は、漢方薬として市販されているヤムイモ乾燥品の山薬と自然薯などのヤムイモ類に含まれる有効成分の一つであるジオスゲニンの抗炎症作用や脂質代謝改善効果によって大腸発がんが顕著に抑制されることを、大腸発がんモデルマウスを用いた研究により明らかにしました。この研究成果は、アメリカ癌学会学術専門誌(Cancer Prevention Research)の電子版(3月2日)に掲載されました(注3)。
  大腸がんは、先進国で共通して罹患率の高いがんであり、そのうち約70%が食生活習慣の改善によって予防可能だと考えられています。それゆえ、"静岡名物とろろ汁"などのヤムイモ類を用いた食品の摂取によるヒトでの大腸発がん予防効果が期待できます。
  また、北京五輪陸上男子100メートルの金メダリストもジオスゲニンを多く含む南米産のヤムイモを常食しています。現在、市販の自然薯、長芋、大和芋などヤムイモ類の成分分析や健康増進効果についての解析を行っています。
  本研究は、静岡県立大学グローバルCOEと厚生労働省がん研究助成金の援助により行われました。

歌川広重作東海道五十三次鞠子(丸子)

注1 ヤマノイモやナガイモ、自然薯(じねんじょ)を含むヤマノイモ属の総称
注2 金沢医科大学との共同研究
注3 Miyoshi N, et al., Cancer Prev. Res. (2011) in press
・PubMed
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21367960
・Cancer Prevention Research
http://cancerpreventionresearch.aacrjournals.org/content/early/2011/02/24/1940-6207.CAPR-10-0279.abstract
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