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ニュース & トピックス


静岡健康科学英語研修プログラム (SHEP)


第1回静岡健康科学英語研修プログラム(SHEP)を実施しました。

2007 Shizuoka Health Sciences English Program (SHEP) 静岡健康科学英語研修プログラム

研修先: American Language Program, The Ohio State University
研修期間: 3週間(2007年12月3日~21日)
参加者数: 10名

研修目標:
1)科学英語コミュニケーション能力の向上
  (日常会話から研究プロジェクトプレゼンテーションまで)
2)研究室訪問・オハイオ州立大学の若手研究者や大学院生との学術交流
3)異文化社会の理解

第1回Shizuoka Health Sciences English Programを実施して

グローバルCOE事業推進担当者 吉村 紀子
(国際関係学部教授・言語コミュニケーション研究センター長)

 静岡健康科学英語研修プログラム(Shizuoka Health Sciences English Program, SHEP)は、静岡県立大学が大学間協定を締結している米国・オハイオ州立大学(The Ohio State University, OSU)のAmerican Language Program(ALP)とInstitute for Japanese Studies(IJS)とのコラボレーションで静岡県立大学グローバルCOEプログラムのために独自に開発した海外短期英語研修プログラムです。SHEPの目標は、健康科学に関する特別な英語カリキュラム(English for Special Purpose)を通して、博士課程の大学院生と若手研究者の科学英語コミュニケーション能力の向上を図ることにあります。主な活動は、午前中は日常会話からディスカッション、研究プロジェクトプレゼンテーションまでを実践的に学習する授業、そして午後は研究室を訪問し、OSUの教員や大学院生たちと意見交換等を行う学術交流、です。 

 第一回目のSHEPは、2007年12月に3週間実施しました。まず、OSUでの授業が円滑に進むように、9月から準備を始めました。例えば、参加希望者に対して1ヶ月間の集中TOEFL講座を開き、ネイティブ講師が指導しました。この試みは、受講生にとって2つの目的―(1)基礎的な英語知識の復習、(2)ネイティブの英語に慣れること―がありました。次いで、受講生は講座終了後TOEFL-ITPを受験しましたが、そのテスト結果は、受講生に自己の英語力を客観的に理解してもらうこと、また受講生の英語習熟度レベルがわかることで、SHEPのシラバス作成に必要な情報を提供しました。その後、担当講師の評価とTOEFL-ITPの成績を考慮して、10名の参加候補者を選出しました。それから、小林裕和先生(生活健康科学研究科長)と協力して、直前オリエンテーションを2回開きました。その中で、SHEPの目的やOSUでの生活上の注意点等の周知は勿論ですが、先の集中講座でわかったこと―つまり、英語聴解力の強化の必要性―を克服するために、最近容易に利用できるようになった携帯型ミュージックプレイヤーを利用してリスニング力を向上させる学習方法を紹介しました。(この学習方法は便宜性もあり、その後、SHEP期間中~現在まで継続利用してリスニング力の向上をがんばっていると受講者から聞いています。)

 このように、静岡での準備期間を経て、12月2日に10名の参加者が元気にシカゴ経由でオハイオ州コロンバス市へ出発しました。成田に見送りに行きましたが、いろいろな期待感で、みんなの顔が輝いていたのが印象的でした。移動中、特に問題もなく、予定通り、コロンバス空港に到着。出迎えのバンに乗って、期間中宿舎となる、OSUキャンパス近くのホテルにチェックイン、その夕方にはIJSによるオリエンテーションがあり、いよいよSHEPがスタートしました。翌日、研修の第1日目は、午前中、参加者は時差の関係で眠たかったそうですが、静岡では決して経験できないような広大な雪景色と寒さの中、OSUの学生証を発行してもらい、キャンパスツアーをおこない、そして午後にはミシガンテストを受け、第2日目からの授業へ準備を整えました。

 第2日目から始まった授業は、参加した大学院生が国際学会等で研究成果を積極的に発表できるように、また博士課程修了後にそれぞれの専門分野でグローバルに活躍できるように、彼らの科学英語コミュニケーション能力の向上に力点を置いて、進められました。担当講師はBill Holschuh先生で、午前中3時間の授業中、5分間の小休憩が2回あるだけで、5冊のテキストを適宜に用いて、リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングの4技能を統合して(Integrated Approach)学習して行きます。私が授業参観したのは2週目の後半になってからでしたが、学生たちはOSUでの生活や授業に慣れてきたようで、基礎的な文のリスニング、リピート、ディクテーションから始まり、グループディスカッションへと展開していく中、分からない時は手を挙げて質問し、コメントや意見を交換するという言語活動が行われるようになっていました。ビル先生の話によりますと、最初の1~2日間は、授業中に誰も積極的に話さず、大変だったそうですが、徐々に、そして少しずつ、話すことに慣れてきたそうです。それから、「ナチュラルスピードの英語」は参加者にとって最初はむずかしく理解するのが大変だったそうで、その困難点を克服するために、授業は毎時間、基本文型のセンテンスを聞いて、まず耳で理解し(リスニング)、次にそれをリピートし(スピーキング)、そして書く(ライティング)、最後に自分で書いた文を読む(リーディング)、という一連のプラクティスから始まっていました。参加者へ実施したアンケート調査によりますと、「リスニングが難しい。このディクテーションが‘非常に役に立った’」という回答が多くありました。

 毎週金曜日は、学生たちがビル先生と1対1で面談をおこなうチュートリアルです。これは、オーラルプレゼンテーションに向けて個人指導を受けるという内容でした。このような英語での個人面談は、おそらく、参加者のほとんどがこれまで受ける機会がなかったでしょうから、よい学習となりました。つまり、とにかくチュートリアルでは何か英語でコミュニケーションしなければならないわけですから、クラスであまり口を開かなかった参加者も「誤りを恐れず、恥ずかしがらずに、ゆっくり時間をかけて英語を話すこと」ができたわけです。その成果は、研修最終日の研究発表で現われました。10名の参加者の一人ひとりが10分間のオーラルプレゼンテーションをパワーポイントのスライドを使用しながら、はっきりと、わかりやすい英語で各自の研究内容を発表できました。今回の発表でビル先生から与えられた課題は、「専門知識があまりない人たちでも理解できるようなプレゼンテーションをすること」でしたので、学生たちにとってはかえってむずかしかったようですが、グローバルコミュニケーション能力の育成という観点から見れば、とても有意義な学習ではなかったでしょうか。

 3週間の研修期間中、学生たちは各自の研究分野と関連した研究室を訪問して、OSUの先生たちや大学院生たちと意見交換やディスカッションをして、交流を深めました。例えば、薬学部のYasuro Sugimoto先生、Duxin Sun先生、栄養科学部のMonica Guisti先生、応用薬学部のKathy Mulligan先生、Kay Wolf先生、人間栄養学部のEarl Harrison先生、Mark Filla先生と学生たちは前もってアポイントメントを取って、話に行きました。また、食品栄養科学専攻の参加者はキャンパス内にある大学病院を訪問して、管理栄養士の仕事等を見学しました。海外の研究機関における、このような大学院生レベルの研究室訪問や学術交流はなかなか実現し難いものですが、OSUの中山先生の協力により、また9月に研究連携体制を整備するためにOSUを表敬訪問した4名の事業推進担当者 (奥、小林、大橋、合田)の事前準備により、可能となったことは参加者にとって有意義な研究活動となったと思います。

 このような内容の充実した3週間の研修を終えて、12月25日に帰国しました。その後、年が明けてから、参加者10名は研修報告会に出席し、指導の先生方や後輩たちの前でOSUでの研修成果の一部としてオーラルプレゼンテーションをおこないました。英語でコミュニケーションすることに対して自信ができたのではないかという印象を受けました。非常に大きな成果です。

 さらに、今回のSHEPの成果として、リスニング力の向上を挙げることができます。研修終了時に実施したアンケート調査によりますと、参加者が最初に直面した問題点としてリスニング力の不足と日常会話の難しさがありました。そして興味深い点は、参加者が研修によって自信ができたと感じたのはリスニング力の向上でした。確かに、2週間目の授業になると、先生からの指示や話は十分に理解できていたようで、質問したり、あるいはコメントを述べたりしていました。また、修了式後の集まりで全く躊躇せず、積極的に英語で話しかけて行く学生たちの言語行動にSHEPの大きな成果を見ました。さらに、研修前後に受けたミシガンテストの結果を比べてみますと、英作文力が顕著に伸びていました。例えば、書かれた英文の量が研修後は研修前の2倍以上になっていましたし、内容がわかりやすくまとめられていました。これらは、教室でのディスカッションやチュートリアルでの個人面談等を通して、学生たちが一定の時間内で自分の考えを論理的に、整理して表現できるようになったのではないかと考えられます。 このように、2007年度の第1回SHEPは3週間という短い研修期間でしたが、研究室訪問等に加えて、オーラコミュニケーションに必要なリスニング力の向上、英語で論理的にまとめて表現する能力、積極的にコミュニケーションに参加する態度の育成など、大きな成果を上げることができました。第2回SHEPは今年6月16日から7月25日まで6週間、TOEFL-ITPのスコアと英語インタビューから9名が選出され、参加します。2007年のアンケート調査で要望の多かったカンバーセーションパートナー制度を2008年は導入します。

 最後になりましたが、9月からの準備、12月実施という強行スケジュールの中、このように実り多き第1回SHEP実施にご協力いただいたオハイオ州立大学の関係者の皆さま―中山峰治先生(プログラムコーディネーター)、Bill Holschuh先生(シラバス作成・担当講師)、Janet Stucky-Smith日本研究所副所長(オリエンテーション・宿舎手配等のロジスティックス),Gary Whitbyアメリカンランゲージプログラム所長代理(運営事務管理)、Sheri Gangluffアメリカンランゲージプログラム副所長(事務補助)、そして学生たちの日常生活を支援してくれたKenさん―に心から感謝いたします。ありがとうございました。

SHEP REPORT


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